2018/02/07

長い年月、一緒に考えた日々。妊娠ー出産

.0044)
不妊、倦怠感、食生活、漢方薬、出産弁証論治
..<問診>
35歳、女性 パート
身長:152cm、体重:46kg、血圧:120/70
家族構成:夫
肉親の病気の遺伝的傾向:B型肝炎
主訴・・・①不妊、②たまに倦怠感
..【主訴について】
①不妊・・・27歳結婚、30歳から妊娠を希望し、33歳から体外受精の不妊治療を始める。
②倦怠感・・・
午前中に仕事をして、昼食を取った後、だるく、眠くなる。昼食は食べ過ぎてしまうことがある。
夜20時以降の食事のため、朝はヨーグルトか飲み物くらいしか口にしないので、昼過ぎに仕事から帰宅すると少しずつ食べてしまう。そして眠くなって、だるくなる。
パートで体力仕事をするようになってから、徐々に起こった。
多いときは週に2~3回起こり、予定があり、スムーズに動いている日は大丈夫。
昼、梅雨時、特に季節の変わり目につらい。
27歳結婚時、仕事が多忙だったが、生活や家事も完璧にこなしたいという思いから、不眠、胃炎、逆流性食道炎になり、生理中はいつも吐き気でトイレから出られなくなっていた。
30歳でヨガを始め、1年ほどで少しずつ精神的苦痛からは解放され、フルタイムの仕事を辞めてからはヨガと家事のみの生活を1年ほど送る。
32歳から週5回、1日3~4時間のパートの仕事に就くが、疲れやすく体力が無いことに気づく。
食事時間が変化したこともあり、食事に注意を向ける。半年後くらいからは朝フルーツのみと玄米菜食を特に意識するようになる。同じ頃ビッグママ治療室に通い始める。
34歳の頃、動物性タンパク質を取らないことで体に負担がかからないと知り、毎日ではないが、植物性タンパク質に偏る。この頃から炭水化物を美味しく感じるようになり、炭水化物ばかりに目がいき、取り過ぎとわかっていても止められなかった。体は軽く感じ、ヨガをしやすかったが、少し動くと疲れた。鍼灸治療で楽になるが、体力がなかなか出ず、気持ちが落ちつくが、生活にハリがなかった。
その後、米山先生のアドバイスで食事改善と漢方を服用するようになり、この頃から鍼灸治療当日の夜、シャワーを浴びる元気が出る。それまでは翌日の朝でないとシャワーを浴びる元気が出なかった。肌の調子が良くなり、体が楽になった。仕事もだいぶん楽になった。
現在、仕事中はとても楽になったが、帰宅後、食事を取ると疲れが出るので改善したい。
..【その他に治したいこと】
LDLコレステロール値・・・医師からは「元々、体が小さく細いのに、許容量以上の油などを取っているのではないか。体が受け止められず血液にまわってしまうのではないか」という指摘を受ける。
..【ふだんの状態について】
...(体調の悪い変化)
クーラー、梅雨時、季節の変わり間、昼、肉体疲労時、気を使った後、睡眠不足の時、食べ過ぎ、飲み過ぎ、たまに旅行の後
...(体調の良い変化、悪い変化)
秋、入浴中、入浴後、ヨガや20分程度の歩行や畑は気持ちがいい
...(風邪)
記載なし
...(食事)
食べる量は普通~大食ぎみ。
食事時間は不規則、朝:記載無し、昼:13時、夕20~21時。
30分以上掛けて食べる。
食事前の空腹感は時々のときもあれば、よくあり時もある。
普通に噛んで食べ、いつもおいしく食べれる。
食後にお腹が張ったり、胸焼けは、時々。
よく食べるのは、白米、玄米、麺、魚、肉、野菜、豆腐、フルーツ、パン。
好きなものは、白米、玄米、麺、魚、肉、野菜、フルーツ、パン。
嫌いなものは、特になし。
間食はよくとり、パンを食べる。たまに生理前などにはポテトチップは甘いもの、炭酸が欲しくなる。
...(水分)
1日に200ccのコップで5杯以上、計1000cc以上飲む。
飲むのは、ハーブティ、ほうじ茶、コーヒー、カフェオレ。
口などの渇きはめったにない。
食べ過ぎると舌に時々違和感がある。
...(飲酒)
ほとんど飲まない。20歳から30歳までは会食の時に飲んでいた程度。
...(タバコ)
吸わない。
...(大便)
2日に1回は出る。
便秘はめったにないので、便秘薬は使用しない。
便が出切らない感じは時々。
便は太い、バナナ、コロコロ、量はこぶし大。
便器に付着することは無い、臭いは時々臭う。
...(小便)
1日の5~7回。
残尿感、尿切れが悪いことは無い。
尿の色が悪いことは滅多に無く、たまに黄色。
夜間排尿は時々で、不安なことがあったりすると起きるが、今は無い。
...(睡眠)
就寝0時、起床6時から7時。
寝付きは普通で、眠りは深く、夢をよくみる。
寝起きは普通で、翌日に疲れが残ることは時々。
夢は現実的なことから空想的なものまで。
..【婦人科の状態】
初経14歳。
生理期間は6~7日間で、周期は26日でここ1年くらい少し早め。
生理前に時々、いらいら、疲れ、乳房痛。
生理血は出血したときの色でサラサラだが、たまに小さい塊や粘った膜がが混じることがある。
量は普通で、生理2~3日目が出血が多い。
生理と倦怠感に関連があるかは、よくわからない?
しいて言えば、生理前に食欲が増す。生理が始まれば楽になる。
今は生理だけみると前よりすっきり終わり、以前よりもとても楽。
フルタイム、正社員で働いていた時は、生理前~中にかけて、寝込むほどの吐き気などがあったが、ヨガを始めて寝込まない程度に軽減。その後、仕事を辞めてもっと改善して、胸の張り、いらいら程度になった。鍼灸治療を始めてからは、いらいらもだいぶん改善し、逍遥散を服用するようになってからはさらに改善した。
..【これまでにかかった大きな病気】
16歳の時、左卵巣嚢腫の手術をして水を抜いた。29歳頃、右にチョコレート嚢腫が見つかるも、それは自然に小さくなる。
..<時系列>
子供の頃から神経性胃炎。
14歳・・・初経。
16歳・・・左卵巣嚢腫の手術。
☆18歳 高校時代はギターをかついで自転車で30分かけて通った平気だった
☆20歳花屋で元気に働いていた。重いものをもっても平気だった。疲れ知らずで過ごしていた
☆昔から精神的なストレスは体調に直結しがちだった
☆昔からお腹が空きすぎるとイライラしたり、気持ちが悪くなった。
☆結婚までは朝食をきちんと食べる生活だった。
27歳・・・結婚。(結婚前は体重が44-46キロ
     ☆仕事で精神的な辛さがとても強かった。
     ☆生理時の痛みがひどくなりトイレから出られないほどであり、吐き気もつよかった。
     ☆血を吐き胃炎と逆流性食道炎と診断された、一生薬は継続していくと言われた。
       このとき体重42キロ。食欲は普通。
     不眠、胃炎、逆流性食道炎になる
          ☆胃の痛い時期は27歳から30歳でヨガを始めるまでの3年間
     生理中は吐き気がひどい。
     ☆生理時には下痢となることがおおかった
     ☆食事はそれなりに規則正しく3回食べていた、
       しかしアフターファイブで結構な割合で飲みにもいっていた。
30歳・・・妊娠を希望する(現在まで)。
     ヨガを始め、1年ほどで精神的苦痛から解放される。
     ☆ヨガを初めて、生理の時のトラブル、胃痛などがみるみるよくなった。
      生理時のバッファリン、胃痛の薬などが不要となる。
31歳・・・フルタイムの仕事を辞め、ヨガと家事だけの生活。
32歳春・・・週5回、1日3~4時間ほどのパートを始める(現在まで)。
☆パートに出るようになって梅雨時や季節のかわりめにだるくなるようになった。
知り合いに勧められ自分でお灸をする、リラックスできた。
☆食事に注意を始める、朝食フルーツのみと玄米菜食を意識するようになる。
32歳秋・・・ビッグママ治療室に通い始める(現在まで)。
 
     生理の低温期が長い、16~17日目頃
33歳・・・不妊治療を始める(現在まで)。
34歳・・・植物性タンパク質に偏った食事になる。
     炭水化物を取りすぎ気味になる。
     生理の低温期が13-14になった(高温期の長さ変わらず)
     体は軽く感じ、ヨガをしやすかったが、少し動くと疲れた。
     鍼灸治療で楽になるが、体力がなかなか出ず、
          気持ちが落ちつくが、生活にハリがなかった。
34歳夏・・・食事改善と漢方服用を始める(現在まで)。
      肌の調子が良くなり、体が楽になった。仕事もだいぶん楽になった。
      婦宝当帰膠(翌年6月まで)。
      逍遥散(PMSがひどいときのみ)。
      桂枝茯苓丸(生理中のみ)。
 
34歳秋・・・冠元顆粒(1~2ヶ月間のみ)。
35歳現在・・・芎帰調血飲(高温期以外)。
       八味丸。
       参茸補血丸(生理中以外)。
       不妊治療中。
..<切診情報>
..【脈診】
..【舌診】
歯痕あり
..【腹診】
脾募うすくあり
季肋部めくれ
神闕 動悸あり
左少腹急結
..【経穴診】
列缺 こそげ
右内関 陥凹
右外関 こそげ
左外関 動き悪い
右神門 硬結
霊道(右<左) こそげ
足三里 ゆるみ、奥からやや冷え
左公孫 大きい陥凹
右臨泣 ややつまり
太衝(右<左) へたれ
..【背候診】
細絡なし
左脾兪 大きく陥凹
左胃兪 大きく陥凹
右胃兪 陥凹
両腎兪 陥凹
右次リョウ つまり
..五臓の弁別
【肝】
倦怠感は予定があり、スムーズに動いている日は大丈夫(肝気が張ればokの可能性)
入浴中、入浴後、ヨガや20分程度の歩行や畑は気持ちがいい(肝鬱が晴れた可能性)
フルタイムで働いていたころは、生理中に寝込むほどの吐き気があった。
生理前から中のイライラ、寝込むほどの吐き気などは仕事をやめて改善、鍼灸を受けてより改善、逍遥散を服用するようになってさらに改善。
子供の頃から神経性胃炎。(肝気犯胃の可能性)
27歳の結婚当時不眠(肝気の納まりが悪い可能性)、胃炎(肝気範囲の可能性)、逆流性食道炎(肝気犯胃の可能性)になる。 生理中は吐き気がひどい(肝鬱による胃気上逆の可能性)。
このころは、体力がないということを感じるよりも、胃痛にとにかく悩まされていた
30歳 ヨガを初めて精神的苦痛から解放される
舌 戦アリ
右臨泣 ややつまり
太衝(右<左) へたれ
32歳自分でお灸をして身体がリラックスルのを感じた
【心】
右内関 陥凹
右神門 硬結
霊道(右<左) こそげ
【脾】
昼食後だるくねむい(脾の陽気不足の可能性、気虚の可能性)
梅雨時、特に季節の変わり目につらい。(内湿の可能性、脾の陽気不足、脾の弱りの可能性)
27歳の結婚当時不眠(肝気の納まりが悪い可能性)、胃炎(肝気範囲の可能性)、逆流性食道炎(肝気犯胃の可能性)になる。 生理中は吐き気がひどい(肝鬱による胃気上逆の可能性)。
このころは、体力がないということを感じるよりも、胃痛にとにかく悩まされていた
34歳、植物性タンパク、炭水化物を中心にすると身体に負担がかからない
  (食生活による脾胃への負担が軽くなった可能性)。
34歳、炭水化物のとりすぎとなったが、身体が軽く、ヨガがしやすかった。少し動くと疲れた。
 (脾胃への負担は軽かったが、腎気を補うことは出来なかった可能性)
34歳 漢方薬の服用で、少し体力がつき、肌の調子が良くなり(肌肉が補われた可能性)、身体の調子がよくなった(全身が補気された可能性)。
大食(脾胃への負担の可能性)
食後におなかが張ったり胸焼けが時々する(脾気の弱りの可能性)
便が出きらない感じは時々、バナナ、コロコロ(脾気の弱りの可能性)
脾募薄くアリ(脾気の弱りの可能性、内湿の可能性)
神闕動悸アリ(脾気の弱りの可能性)
足三里 ゆるみ、奥からやや冷え
左公孫 大きい陥凹
左脾兪 大きく陥凹
左胃兪 大きく陥凹
右胃兪 陥凹
【肺】
列缺かげりアリ
【腎】
倦怠感はパートで力仕事するようになってから徐々におこった(腎虚の可能性)
パートで力仕事するようになって、疲れやすく体力がないことに気がつく。
34歳、炭水化物のとりすぎとなったが、身体が軽く、ヨガがしやすかった。少し動くと疲れた。
 (脾胃への負担は軽かったが、腎気を補うことは出来なかった可能性)
現在、仕事中はとても楽になったが、帰宅後、食事を取ると疲れが出るので改善したい。
 (腎気の不足により、夕方に疲れが出ている可能性。気虚の可能性)
翌日に疲れが残ることが時々(腎気の弱りの可能性)
右外関 こそげ
左外関 動き悪い
両腎兪 陥凹
右次リョウ つまり
【気虚】
舌 歯痕あり
昼食後だるくねむい(脾の陽気不足の可能性、気虚の可能性)
34歳 漢方薬の服用で、少し体力がつき、肌の調子が良くなり(肌肉が補われた可能性)、身体の調子がよくなった(全身が補気された可能性)。
現在、仕事中はとても楽になったが、帰宅後、食事を取ると疲れが出るので改善したい。
 (腎気の不足により、夕方に疲れが出ている可能性。気虚の可能性)
神闕動悸あり
列缺かげり
【湿痰】
梅雨時、特に季節の変わり目につらい。(内湿の可能性、脾の陽気不足、脾の弱りの可能性)
脾募薄くアリ(内湿の可能性)
【オ血】
16歳の時、左卵巣嚢腫の手術をして水を抜いた。29歳頃、右にチョコレート嚢腫が見つかるも、それは自然に小さくなる。
左少腹急結あり
病因病理
子供のころから神経性胃炎を患うような肝気と脾胃に問題があった。
また16歳の時に卵巣のう腫で手術をしている。
しかしながら、素体としては充分に成長し14歳で天癸がいたり初経となり、20歳前後には、
花屋のバイトというハードな生活も楽にこなしていた。
27歳から30歳の時期は、仕事そのものも忙しく、また精神的な課題も大きく、その上に結婚し家事もしっかりとこなそうと、強い肝気を張って生活していた。強い肝気は胃を犯し胃炎となり、長らく継続したため、胃気の上逆はきつく逆流性食道炎となり血を吐くほどとなった。また、仕事そのものの忙しさや家事での忙しさは疲労の積み重ねとなり腎気も損なっていった。強い肝鬱による腎気への負担、腎気そのものへの負担と重なり、生理前からより肝鬱が強くなり、肝鬱が取れ下へ通じるであろう生理の時も腎気の支えが弱いため、強い肝鬱は継続し、胃気の上逆へとつながり嘔吐となってしまった。
生理の状況の観点から見れば、
27歳から30歳の時期は、生理前から生理中にかけて寝込むほどであり、吐き気などがあった。
その後ヨガで寝込まなくなり、仕事をやめて、胸の張り、イライラ程度となった。その後の
鍼灸治療でイライラも改善逍遥散でより改善、というように、肝鬱がとれることによって、明らかに改善となっていっている。
また胃の問題もヨガによって解決しているので、肝鬱が問題の中心であり、そのコントロールによって、生理の問題、胃の問題が解決されたのであろう。
32歳より、パートの仕事を始める。3,4時間程度であるが力仕事であり、立ち続けることが多く、帰宅すると疲労でぐったりという状況であり、また食生活も大きく変化している。
このパートを始めることにより体力が無くなっていることにご本人が気がついている。
20歳前後のときには、同じような肉体労働を長時間なんなくこなしていたということから、32歳の若さながら、生命の器が20歳の時と比べてかなり小さくなってしまっていたからではないかと思われる。つまり、27歳から30歳の時の強い肝鬱は、全身の器をひとつ落とし、気虚をおこしてしまったいたということであろう。
気虚をおこした小さな器であっても、ヨガを中心に負担のない生活であれば問題はなかったが、、力仕事をしたため疲労し、食事をすることによって脾胃に陽気があつまると、他の部分には気が足りなくなりねむくなってしまい、だるくなったりしてしまう。
予定があり肝気を張っているときには、スムーズに動けると言うことから、肝気を張らなければ、全身の気虚があるため、脾胃に気があつまれば倦怠感が出てしまうということである。
このころより、梅雨時の身体の重さ、倦怠感、季節の変わり目の辛さが出現している。明らかに脾気に負担がかかり内湿を生じている。生理の状況が肝鬱がとれることで改善し続けているので、腎気そのものは大きな損傷がなかったが、脾気はもともとの弱りもあって、少し腎気が落ちることで陽気不足となり、内湿を生じるようになったものと思われる。
パートでの力仕事、そして食生活の変化が同時におきているので、どちらの影響が脾気に強く負担となっていたのかは判然としないが、食生活は、朝食抜き、フルーツ、玄米という一般には身体によいとされる方法である。
この方法はご本人の生活リズム的には、空腹での慣れない力仕事、力仕事後に食事というリズムになり、空腹での疲労という状況での食事は、全身が気虚をおこしている状態で脾胃に陽気があつまるということになっており、脾気に負担となり内湿を生じ、だるさや倦怠感を強くしてしまったのだろう。
脾胃により負担のない、炭水化物を中心に食生活をしたときには、身体が軽くなり動きやすくなっている。脾胃の力が弱く、負担がかかれば内湿が生じ動きにくくなるが、この食事であれば脾胃への直接的な負担とはならなかったのであろう。しかしながら、この食事では、脾気に多少の負担をかけながらも器を大きくし、肌肉を養うという方向へまではむかわなかったので、少し動くとつかれてしまい、気持ちは落ち着くが、生活にハリがでるように身体全体の気虚を救うところまではいかなかったのだろう。
その後、食生活を改善。いままでほとんど摂取していなかった動物性のタンパク質を摂取することを開始。脾気への負担が心配されたが、内湿が悪化することもなく無理なく気虚が補われ、肌肉の養いとなった。そのため体力がつき仕事中も楽になった。しかしながら、まだ充分な補いとなっているわけではないので、帰宅後に食事をとり、気が脾胃に集まると、全身の気虚は目立ち、疲れが出るのであろう。
弁証 脾虚 肝鬱
論治 益気補脾 疏肝理気
..治療方針
脾気を養い、肌肉をしっかりと養える器にしていく。
場合によっては脾気に負担になる肝鬱を取り去る。
..ご本人へ
お子さんが欲しいと言うことで、鍼灸、漢方など色々頑張っていらっしゃいますね。
20代後半で身体を大きく壊され身体の器そのものを小さくしたこと、そして小さい器の
身体に負担になってしまった食生活と、生活リズムが、倦怠感などをもたらしてしまったと考えられます。
また、初診時に拝見したときに非常に皮膚が薄く、火傷がしやすかった状態も、器そのものの
弱さ、体表に気があつまり張っていること、胃腸の力不足で肌肉が十分やしなわれていなかったことを示しています。
精神的なストレスはお身体に大きな負担となりますね。これは20代後半のときもそうであったし、
現在でも続いていると思います。この身体のストレス状態は、ヨガや鍼灸などで充分よく
コントロール出来ていると思います。
身体の力そのものを養う胃腸の力が少し弱いため、疲労して底支えがなくなったり、食べ物に充分な栄養がなかったりすると、全身のパワー不足が目立ってしまい体力的なジリ貧状態になります。
○朝食を取る方が、胃も楽、仕事中も楽、倦怠感も楽であり、昼食後の状態もよいということですので、食事全体のリズムを考え、バランスよくタンパク質を少し意識して食生活を進めていってください。
さて、一番のお悩みの漢方薬。
漢方薬は、漢方の先生が考えてくださった生命観に乗っ取り進められていきます。
こういった治療は、その先生の方針、生命観に依拠するところですので、それぞれなのですが、
胃腸の状態をよくして器をしっかりするような漢方薬を選ばれるとよいと思います。
生理周期は確かに短いのですが、以前に比べて低温期が通常の長さになっただけです。
つまり身体が立ち直る方向性としては間違っていないと思われます。
また、現時点で、ストレス状態ともいわれる肝鬱はヨガと鍼灸で充分コントロール出来ていると思いますので、薬剤でこの点のコントロールまでもってくる必要は現段階でないのではと思います。それよりも薬剤では器を養っていく方向性をとるほうがよいのではと思います。
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(現在の漢方薬、参考まで)
34歳夏・・・食事改善と漢方服用を始める(現在まで)。
      肌の調子が良くなり、体が楽になった。仕事もだいぶん楽になった。
      婦宝当帰膠(翌年6月まで)。
      逍遥散(PMSがひどいときのみ)。
      桂枝茯苓丸(生理中のみ)。
 
34歳秋・・・冠元顆粒(1~2ヶ月間のみ)。
35歳現在・・・芎帰調血飲(高温期以外)。
       八味丸。
       参茸補血丸(生理中以外)。
       不妊治療中。

2018/01/27

腱鞘炎の症例

.0188漢方も栄養療法も届きません、弁証論治
..35歳女性162㎝45キロ(BMI17.5)
主訴:不妊
夏の方が冬よりも体調が悪い。熱がこもる感じがして食欲ダウン、体重が減る。
よく下痢をする。
食欲は普通、食事は規則的。早食いにならないように良く噛むように気をつけている。
空腹感はよくある、食事は美味しい、お腹が張ることも滅多にない。
間食にはナッツ類を食べるようにしている(体重を増やしたいので)。
牛乳、乳製品は下痢になるので食べないようにしている。
飲み物は1000ccぐらい、白湯、ほうじ茶など。
口の渇きはよくある。口喉などの違和感はない。
大便は1日1回、出切らない感じはない。形は軟便、下痢状が多い。
便はいつも付着しやすい。時々におう程度。
小便は1日6,7回、残尿感、夜間排尿はなし。尿の色はビタミン剤の色
11時から7時まで寝ている。寝つき眠り、寝起きは普通だが、高温期は寝つきも悪く眠りも浅い。
翌日に疲れが残ることはよくある。
婦人科の状態:
32歳卵巣膿腫の手術
生理周期は27-29日 4~7日間
20代後半は血の塊が出ていたが最近はない。
30代になり生理の量が減ってきた。
32歳頃から着床日ごろ(生理の一週間ほど前に)
・不正出血があり、5~7日続いた後に生理となる。
・寝つきが悪く眠りが浅くなる
・立ちくらみのような症状がでる
・毎回ではないが、下半身がひどく冷えることがあり、お風呂に入ってもすぐに冷えてしまう。
・高温期に体温が低くなってしまう日がよくある。
..時系列
20代前半一人暮らしで食の乱れがあり、下痢もひどく、体重が50キロ(BMI19.0)から45キロ(BMI17.15)へ。
この頃良く風邪を引いていた。
30歳結婚、仕事がかわったり負担が減り、食事が規則的になり、少し生理痛がよくなる下痢も少なくなって体重が増えた(47キロBMI17.91へ)
32歳漢方周期療法スタート
漢方から4ヶ月後、卵巣嚢腫が見つかる(4ヶ月後手術)
33歳不妊治療再スタート、栄養療法スタート。色々な病院にいった。
漢方を再スタートするも、胃の調子が悪くなり飲めないので休み
34歳 人工授精(6回)、体外受精スタート、移植するものの結果がでず。
☆漢方は飲みたいが胃腸に負担で飲めないときが多くかえって下痢してしまうことのほうが多く継続できない。
☆栄養療法では鉄不足が強く指摘され、鉄、ビタミン類やプロテインなどのサプリを処方されている。鉄不足はだいぶ改善されてはいるが、やはり胃腸に重くかえって体重が減ってしまった(47キロから45キロへ)
..体表観察
全身がうっすら発汗していることが多い(ふだん、切診しているときなど)
脉診:左の関上輪郭が甘い、両尺浮いて弦
舌:やや紅舌気味 歯痕あり、戦アリ、舌裏怒脹太い
腹診:全体に温。心下つまりあり、肝の相火右に少しだけ、裏肝の相火あり、季肋際めくれあり右つまり。中脘固い、臍少し引く動悸。気海大巨抜け関元の抜けきつい。小腹急結右に少し。腹部全体に温。腰は椅子に当たったところが痛い程度。
背候診:上背部(大椎から神道)発毛熱感、腠理の疎、全体に汗ばみあり。
左肺兪陥凹、膵兪から胃兪までじゃらじゃらとした筋張り。左は脾兪が根、右は胃兪が根。左腎兪固まっている感じ。右三焦兪大きく陥凹。
経穴診:右の内関陥凹、両列缺こそげ、左の合谷影が薄い、左の外関こそげ冷え。
神門の硬結右>左きつい。大都大きく割れ。左公孫陥凹、足三里こそげ。
太谿冷え
..五臓の弁別
...【肝】
高温期に寝つきが悪く眠りも浅い(腎虚の可能性)
生理の一週間ほど前に、
→寝つきが悪く眠りが浅くなる(腎虚、肝鬱の可能性)
→立ちくらみのよな症状がでる(腎虚、肝鬱の可能性)
左の関上の輪郭が甘い
戦アリ、舌裏怒脹太い
右の肝の相火少しだけ
裏肝の相火あり
季肋際右につまり
...【心】
口の渇きはよくある(心熱の可能性)
やや紅舌ぎみ
心下つまりあり
右の内関陥凹、
神門の硬結右>左きつい
...【脾】
夏には熱がこもるような感じで食欲ダウン
よく下痢をする、便はいつも付着しやすい
口の渇きはよくある(胃熱の可能性)
20代前半に生活食の乱れあり、下痢がひどく体重が5キロ減りBMI17.5へ。
漢方は飲みたいけど胃腸に負担で飲めない返って下痢が増え継続できない
栄養療法でかえって体重が減ってしまった。
中脘固い
臍が少し引く、動悸、気海抜け
膵兪から胃兪までじゃらじゃらとした筋張り。左は脾兪が根、右は胃兪が根
大都大きく割れ。左公孫陥凹、足三里こそげ。
...【肺】
20代前半に生活食の乱れから体重が5キロ減りBMI17.5となり良く風邪を引いていた(肺気の弱りの可能性)
上背部(大椎から神道)発毛熱感、腠理の疎、全体に汗ばみあり。
両列缺こそげ、左の合谷影が薄い、
...【腎】
夏の方が冬よりも体調が悪い(腎陰虚の可能性)
高温期に寝つきが悪く眠りも浅い(腎虚の可能性)
高温期に体温が低くなってしまう日がよくある
翌日に疲れが残ることはよくある。
30代から生理の量が減ってきた
生理の一週間ほど前に、
→不正出血があり生理まで続く(腎虚の可能性)
→寝つきが悪く眠りが浅くなる(腎虚、肝鬱の可能性)
→立ちくらみのような症状がでる(腎虚、肝鬱の可能性)
→下半身がひどく冷えることがある(腎虚の可能性)
両尺浮いて弦
気海大巨抜け関元の抜けきつい
左腎兪固まっている感じ。右三焦兪大きく陥凹。
左の外関こそげ冷え。
太谿冷え
...【瘀血】
32歳卵巣嚢腫の手術
舌裏怒脹太い
小腹急結右に少し
...【気虚】
歯痕あり
上背部(大椎から神道)発毛熱感、腠理の疎、全体に汗ばみあり。
・20代前半一人暮らしで食の乱れがあり、下痢もひどく、体重が50キロ(BMI19.0)から45キロ(BMI17.15)へ。
この頃良く風邪を引いていた。
全身がうっすら発汗していることが多い(ふだん、切診しているときなど)
夏には熱がこもるような感じで食欲ダウン
口の渇きはよくある(胃熱の可能性)
両列缺こそげ、左の合谷影が薄い、
夏の方が冬よりも体調が悪い(腎陰虚の可能性)
高温期に寝つきが悪く眠りも浅い(腎虚の可能性)
..病因病理
35歳女性主訴は不妊である。
20歳の頃の一人暮らしで、頑張って日々を過ごし、食生活の乱れもあり、下痢が続き体重が5キロ落ちBMIで17.5になってしまっている。またこの頃風邪も引きやすかった。
生活がかわり肝気をはって頑張ったが、脾気が支えきれず下痢が続
き体重がかなりの痩せとなるほど落ちたこと。また肝気が肺気も傷り勝ちだった可能性と体重が落ちるほどの脾気の弱さは腎気や肺気への養いへの不足となった可能性があり、風邪も引きがちになったのではないかと思われる。この生活によって、脾気を中心に全身の器がひとつ小さくなってしまったのではないかと思われる。
結婚により生活が安定し規則的になり少し体重も増えることができた。しかしながらなかなか妊娠せず、32歳からは不妊治療に踏み切った。漢方を飲んだり、栄養療法を受けたりするものの、妊娠には至らず、かえって体重が減少している。脾胃の飲食物を受け止める力そのものの不足があり、漢方やサプリが気血を補い養うこととはならず、かえって脾気への負担となってしまい体重が落ち気虚を進めたのではないかと思われる。
現時点での常にうっすら発汗している状態から、肺気がしっかりと表衛を守ることができないことと、暑さに弱く下痢ぎみであり背部腧穴の脾胃の経穴を中心に陥凹がきつい状況からも、脾肺を中心とした気虚は明瞭である。また30代になってから生理の量が減り始め、不妊治療を始めたころより、着床時期(生理前の6,7日頃)寝つきの問題や、立ちくらみのような症状が出ている。また下半身がひどく冷えることや、高温期に体温が低くなることがある。これらにより腎気の不足がうかがわれる。不妊治療そのものが腎気の負担になったのかは判然としないが、肺脾の虚があるために腎気の不足を招きやすくもなっていると思われる。腎気の不足があるために排卵が終わった後の高温期が安定せず、妊娠にいたらないのではないかと思われる。
..弁証論治
脾肺の虚
益気補脾補肺
先ず第一に脾肺の虚を救う。不妊治療としては腎気の充実をのぞみたいところだが、脾肺の虚を救い、食物、漢方からの滋養をしっかり受け取れるようにして腎気の充実を図るようにしていく。
..治療経過
...初診
右内関、左公孫 太谿 足三里 気海
肺兪 左脾兪、右胃兪 三焦兪
週に2回 自宅施灸毎日でスタート
3ヶ月ぐらいまで、下痢がかなり多い(とくに生理がくるとひどい)
生理前の不正出血続く
胃の調子が整うまでサプリは少し中断。
6ヶ月ー11ヶ月後
半年後、生理がきても下痢ではなくなる。便が出るとすっきり感が出てくる
8ヶ月後採卵ー10ヶ月後移植 hcg100越えで妊娠ー心拍確認できず
13ヶ月後
流産から3ヶ月後、病院で移植出来ると言われ本人もやりたいと(米山:流産後の復調が今ひとつ莫されていないので、もう少し待つようにアドバイス)移植ーまったく反応出ず。
15ヶ月後 
公孫しっかりしてくる。最近仕事が終わっても疲労感が少ない。体力の底が出来た感じがする。多少の体調のブレがあっても体重が減らなくなった。
17ヶ月後 採卵ー胚盤胞凍結出来た
22ヶ月後
採卵ー胚盤胞凍結出来た(いままでで一番良いグレード)
今までは夏はげっそりしていたが今年は大丈夫だった。朝からちょっと食べると下痢していたがそれもなくなった。食事や漢方などだけでは実感が出来なかったが、鍼灸によって自分の身体がぐっと変わった実感がある。
24ヶ月後
胚移植ー妊娠ー継続

2017/03/06

女子胞力と一源三岐 解説あり

2

【イメージ図 腎と子宮、一源三岐である衝脉、任脉、督脉】

人間が日々生きていくには、五臓の働きが必要です。

女性には、日々生きていくだけではなく、次の世代を生み出すための仕組みを担

い、身体にそのシステムを備えています。

これが、子宮を中心とする女性の生理の特徴です。この子宮を中心として生殖にまつわる生命力を抱合して

東洋医学では女子胞と呼びます。

女子胞に直接的に支えるのは生命力の土台である腎です。腎の力は生殖の力を左右

する大きなものです。

そして、人間には、生命力の有余を大きく蓄える流れが用意されています。一源三岐と呼ばれる衝脉、任脉、督脉です。この一源三岐の経絡は女性においては直接的に子宮に注ぎ入り、有余の生命力をみなぎらせ

女子胞力を充実させます。生殖を支える大いなるエネルギーとなるわけです。

2017/01/17

ブログお引っ越しのご挨拶。

ブログお引っ越しのご挨拶。
ながらく、このココログをベースとしてやってきましたビッグママ治療室のブログ。
このたび、お引っ越しをすることになりました。
↓新しいブログはこちらです。
よろしくお願いいたします。

2016/12/22

言葉が届きますように

言葉が届きますように
昨日、小さなまつげの長いイケメンを見せに来て下さった方がいらっしゃいました。
もう、なーんねんも昔のこと。10年近いのかなあ。
初診でいらしたときに、
『あせんないほうが、いいよ~』と私はいいました。
この言葉は、結局、真実ではあったのですが、そのときの彼女には
届きませんでした。
私は臨床家ですので、自分が直感的に思ったことは結構良いセンいっている
ことが多いです(でも、大外しもしますから要注意要注意!)
ぽつりと出た一言は、自分からでたというよりも、何か響くことがあって
私の口から言葉として出てきたのかなと思うことがあります。
だから、言葉が不親切であったり、
届きにくかったり。
『あせんないほうがいい』
なんていう言葉は、焦っている人には全く届きません。
そうなんだよね、届かないのよ。
この方が、『10年前の自分にあのときの先生の言葉をもう一度届けたい』と
仰っていました。10年たって届くのか。
うーむ。
振り返って、では自分自身ではどうか。
やっぱり自分で自分のことはわからないので、キット自分にとって
役立つ言葉に対しては聞く耳はもてないのだろうと思います。
だから、
だから、私は何度でも、何度でも同じ言葉を言い続けるのかなって
思います。
その方に取って、一番必要と思われる言葉を。
言葉が届きますように、
人生に気づきがありますようにと。

2016/12/19

痩せる文脈を生きよう~2

さてさて、では具体的な痩せる人生の文脈です。
1)はBMI23以上で、もう少し痩せたいということを仰る方の食事記録です。そして2)は複数の人の食事記録からアレンジして作りましたBMI18以下のやせている人の食生活です。
15jpeg_3
1)これをみていただければ一目瞭然。炭水化物の重ね食べの問題が浮き上がります。また、食事を作らないときでも選ぶ物が、テリヤキバーガーフライドポテトアップルパイというように、甘辛味、塩味、甘みとかなり濃厚な味です。また、揚げ物が多くカロリーが高め。御飯も味付きが多いですね。カレー、のり弁、お寿司、焼きうどんなど、炭水化物が沢山食べられるように調理したものが並びます。
カレーライス
ポークハムカツ、
ハンバーグ、
野菜のピクルス。
これでしたら、
御飯1膳、
カレースープ(具にハム、タマネギ、人参、ブロッコリーなど)
おろしハンバーグ、付け合わせに、山盛りキャベツ、青菜のおしたし、ピクルス
にしていただければ、御飯の量も減りますし、カレーもスープにして具に野菜を多くして充実していけます。味付けも薄めにすると食べ過ぎの防止になります。
お寿司10缶 コロッケ1個も、
御飯1膳、刺身、付け合わせの大根、しそたっぷりにして、
コロッケはやめて、青菜のおひたしや、キュウリの酢の物などシンプルな物にしてはと思います。また、まず先付けに、ミニサラダや酢の物などを持ってきて、ぐーぐーなっているお腹を沈めてから、メインディッシュであるお刺身、そして最後にお味噌汁と御飯にするのがよいかと思います。つまり、なるべく御飯とおかずはわけて。始まりから終わりまで時間をかけてということです。この点を考慮するとお寿司はちょっと・・・なのかもしれませんねえ。ゆっくり時間をかけてということならばokですね。ただ、酢飯はお酢とお砂糖、御飯というなかなか強敵であることは理解しておきましょう。御飯は味なし、シンプルが吉です。
具体的に痩せる文脈を生きるには!!
2)をみてください。
さて、痩せている人の食事をまとめてみましょう。
16jpeg
痩せた人の食事は、
1)全体に食べることそのものに興味がない。
2)美味しそうではないメニュー
3)白湯でも口にしたら、食べた!とカウントする食の細さ
4)食が細く、1回の量が少ない
5)炭水化物が中心で主菜、副菜が少ない
6)果物乳製品が少ない
痩せた人は、『食が細く食べれない』ので痩せているのだなとわかります。ここを見習っていいのか、どうなのかという大きな疑問は残りますが、やっぱり何を食べるのかということに拘わるよりも、『食べないことがポイント』そして痩せている人が不健康な理由も食が細いので、
1)血や肉を作るタンパク質の不足
2)ビタミン、ミネラルの不足
3)カルシウムの不足
があります。この点は見習うべきではありません。全体の食を少なくして、これら必要な栄養素はしっかりと意識して摂取し、『何を食べるか?』に拘わらず、『痩せる文脈人間』を見習って、少し食そのものにぐぐぐいいいっと意識をあてることから距離をおくのがよいのかもしれません。
痩せた人、太った人、こんな食べ方でも太っていても、痩せていても、『生きている』ということです。ですので、食に振り回されるのではなく、ちょっとだけ距離をおいて、『違う人生の文脈』を生きるつもりで過ごしてみると、変わっていくのかもしれないなと思います。自分の価値観に振り回されずに、ちょっと演技でもするつもりでがんばってみましょうか(^^)

2016/12/16

赤ちゃんがお腹にいる身体のケア

助産師さんをお招きして、『赤ちゃんがおなかにいる身体のケア』について学びました。
私は、『妊娠を維持する状況が、年々悪くなっている!!』と実感していました。
妊娠によって膨らんでいるお腹をみて、『うーーーーーむ』と唸ってしまうことが
多くなっているのです。
一番気になるのは、”重心が下がっている”ということです。
これは、頚管長の短縮につながりますし、結果的に早産や、赤ちゃんが小さいということに
つながります。これをなんとかしたいと思い、お勧めしているのが、トコちゃんベルトですが、
今一歩、使い勝手が悪く、実践的ではない感じもしていました。
それを、実際に妊娠10週、16週、20週、24週、32週の妊婦さんへの着用指導をしていただいて、
ああ、こうやって使うのね!!こうやって身体との一体感を出して、
いくのだなと実感しました。
また、骨盤を中心として身体を学ぶことにより、身体全体が良好になること、そして
赤ちゃんをしっかりと守り育てる身体ができていくことは、本当に嬉しいことです。
助産師の山浦先生のWEBサイトです。
妊娠中に出来ること、そして赤ちゃんのために出来ること。
元気なお母さんが一番の宝です。

2016/12/15

痩せる文脈を生きよう~1

痩せる文脈を生きよう
  ー実際に痩せた人の観察から得たHow to ダイエット
当院では、お身体の問題をさぐることの一環として食事記録を書いていただいています。沢山の方々の食事記録を拝見するうちに、
毎日の食事の結果、痩せたり、太ったりしている現在の姿があると気がつきました。
そこで、痩せたい人には痩せている人の食事パターン、太りたい人には太っている人の食事パターンをマネしていただければ、痩せる、太るという結果につながると考えました。
ただ、色々集計していて、それほど簡単な話ではないことに気がつきました。
確かに、痩せている人の食事をマネすれば痩せます。でも、これは何を食べるの火という問題ではなく、『食に対するその人の有り様そのもの』をマネする必要があるのです。つまり、痩せる文脈を生きるということです。逆に言えばいまは太る文脈を生きているわけです。
自分に取って当たり前は当たり前です。
だから、太った人にとっては、痩せる人の人生の文脈が理解できないと思います。
私だって、他の人の人生の文脈はなかなか理解しがたいです。
デモこの人生の文脈を理解しないから、『我慢』とか、『制限』とか、『何を食べるのか?』ということに注目し、期間限定の努力となり、ある程度の期間が過ぎたら、また『太る人生の文脈』に戻り、かえってリバウンドしてより一層体調が悪くなると言うことの繰り返しになると思います。
ここで、一つ注意しなければならないのは、なぜ『痩せる必要があるのか』考えなければならないということです。食べて太るということは、胃腸が丈夫で元気であると言うことの裏返しでもあります。その上で太り続けることに問題があるのか、ないのか。ここを考えずに、タダ単に痩せる、太るということだけを問題にはしてほしくないと私は思います。
食は、私たちの人生を豊に彩ってくれる生命のエッセンス。大事に大事にしていきましょうね。

2016/12/14

パクリについて

パクリについて
いま、ネットの世の中はパクリで大騒ぎですねえ。
DeNAのWELQが大問題ということで、閉鎖になっています。
私も、ここまでパクリやまとめだけで自分の書き物が出来るということに
強い憤りを感じますし、また自分自身、そういった引用をしないようにと気をつけています。
私は学会発表を何度かしています。
学会発表というのは、学会当日に発表するというレベルや、
学会に雑誌投稿して載せてもらうというものまであれこれレベルがあります。
この雑誌投稿をアクセプトしてもらうのは本当にハードルが高くてトホホ。
先日、一つアクセプトされて、自分的にお祝いモードです。
もう、いちゃもんイヤイヤご意見、ご指導の有難かったことありがたかったこと・・。
といことはさておき、
ある学会で演壇にたって発表したことが
数日後、とある方のWEBにその方のものとして掲載されていてびっくりしました。
私が造語した言葉が入っており、構成も同じ。やられたなと思いましたが、
まあ、それだけ価値あるものだと思って頂いたのでしょうと
だだっ広い心で理解いたしました。
それでもねえ・・・・。
結局、パクられた方としては、かなり多大な努力をして警告しても、それを削除してもらって終わりだけですので、なんだかそんなものに係わるだけ労力無駄っていう感じがしちゃうわけです。
このあたり、ネットの世の中になって、コピペなどで簡単にパクることができ、
よりハードルが低くなっているように思います。
一生懸命考えて、試行錯誤して出した結晶、大事にしたいんですよね。
自分の学んだ物を整理しながら書いていくというのは私のスタンスでもあります、
だから、引用などがあったり、著作物を踏み台にして考察するということも理解できます。
でも、書いてあることを、そのままあたかも自分が考察し書いたようにするのは
おかしいんじゃない?っていうお話しです。
ネットは調べ物が簡単なので、どうしても意識が飛びそうになるとは思います。
自分も気をつけようと思っております。

2016/12/12

セックスレスと不妊治療

セックスレスと不妊治療
不妊治療にいらした方に私は必ず『セックスしてます?』と伺います。
セックスしないと子供は出来ません。皆さんこんなことは充分ご存じでしょう。
でも、セックスは一人じゃ出来ないんですよね。
また、
子供が欲しいとセックスがしたいはイコールではありませんよね。
ここの課題を越える方法は、あります。
基本的に、ご夫婦がセックスできるようにする道を探すことがベストではあると思います。ただ、女性側や子供が欲しいと思っている側から、このようなアプローチは現実的ではないと私は思ってしまいます。
もし男性側がセックスを拒否(消極的な拒否も含めて)し、かつ不妊治療も拒否するという事態になると、女性の年齢ばかり積み重なり、結果的に『子供を持つことが出来ない』ということになります。私は何人もの方のこういった相談にのってきました。
ふとセックスレス 不妊で検索すると、あまりにも心に突き刺さる言葉や文章に満ちたブログに行き当たりました。
『女を磨けとかさ、そんなアドバイスいらんから。
他の人を探した方が早いよ。
10年前の私が 今の自分のブログを読んでいたら、もう再婚して子供が居たのかも知れない。』セックスレス高齢不妊治療からの離婚   
悲しいけど、そのとおりだと思いました。この方のブログは気持ちにしみました。
私としては現実的に
1)早めに不妊治療に舵を切る
2)セックスレスの原因が男性側の場合は、追い詰めても無駄
3)夫婦関係をよく保つのか、破綻しても仕方がないと思うのか肚のくくりは必要
というあたりでしょうか。
セックスのことは切り離して、『子供が欲しい』で一致すれば話は早いです。
ただ、時に男性は、『そもそも子供とは・・』とか、『そんなことまでして・・・』などというあたりで、時間や年齢を考えずに結論を出さない時間をかけます。30代後半の女性の時間の大切さは、不妊治療に足を踏み入れないと気がつけないのが悲しいですねえ。
こういったお話しを伺うと、私は、もういっそのこと自分一人で出来る『卵子凍結』でも選択してしまおうかという気持ちにもなります。まあ、諸般のことを考えると現実で気ではないのかもしれませんが・・・。
男性にとって、『子供を持つ』ということは、『子供の顔を始めて見る』そのときからスタートするのかも知れません。だから、子供のイメージがまったくない『不妊治療』は選択に躊躇われるのかも知れませんねえ・・・。

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