2008/11/14

5)肩の痛み弁証論治

5)肩の痛み弁証論治
..<問診>

56歳 女性 主婦
仕事:たばこ売店
家族構成:夫、(子供3人独立)
身長:160cm、体重:50kg

主訴・・・肩の凝り、痛み

【主訴について】
(左肩)
1年くらい前に左小指が痛み、それが治ったら左肩が痛み出した。
痛い場所は左肩貞辺りから腕に掛けてで、挙上と結帯動作で痛む。
お風呂に入ると、痛みはましだが、すぐ痛みは戻る。

(右肩)
11月18日から痛み始めた。同時に、膝の痛み、臀部から下肢にかけての痛み出現
右鎖骨辺りから腕の付け根の前面が痛い。
朝、起きぬけが痛い。痛い時期は一定しない。
関節が痛くて、痛みは移動する。

両肩とも日常動作に問題は無いが、ちょっとしたことで痛みが出る。

【ふだんの状態について】

(食事)
食欲は普通で、朝食7時、昼食12時、夕食は19時、食事時間は15分。
食事前の空腹感は時々、おいしく食べれる。
食後にお腹が張ったり、胸焼けがすることはめったにない。
よく食べるのは白米、魚(干物)、キャベツ、大根、果物。
好きな食べ物は柿、すし、嫌いなのは貝類。
間食は1日2回以上で、果物を食べる。

(飲み物)
1日700cc以上、お茶または紅茶を飲む。
喉はめったに渇かない。口舌喉の違和感も無い。

(飲酒)
月4~5回。

(大便)
閉経後、便秘がちで週1くらいだった。出ないと気分が悪くなり、嘔吐したりしたこともある。病院に行ったこともある。
去年11月から1日1回出るようになる。柿や山菜を食べるようになって出るようになった気がする。
(いままでも、山菜や柿の季節に便通がよくなる)。柿を食べなくなったら又で
なくなっている。

便秘薬を時々服用していて、服用していない時はコロコロの便。
(11月まで)
時々便が出きらない感じがする。
便が便器に付着して取れにくいことはめったにない。
時々臭う。

(小便)
夜間排尿はめったにない。
残尿感、尿の切れが悪いことは無い。

(睡眠)
就寝22時、起床5時40分。
寝付き良く、眠りは深く、寝起きは普通。
翌日に疲れが残ることは無い。

(風邪)
くしゃみ、喉痛。

【婦人科系】
初経13歳。
閉経51歳。
正常出産3回。
母乳はよく出なかった。

【その他】
右臀部から足にかけて痛む。
右膝がカクカクすることがあるが、自然と良くなる。

..時系列
若い頃・・・肩凝りを自覚。

45歳頃・・・こむら返りが起こるようになる。

52歳・・・閉経。
     便通が週に1回くらいになる。
      (柿や山菜の季節にはよくなる)

53歳ごろから
     胃が弱くなり、ストレスですぐに潰瘍になる(現在まで)。


55歳・・・左小指が痛み始めて、それが治ったら左肩が痛み始める(現在まで)。
     便秘、目の疲れも起こる。

    身体全体がだるく、やるきがでない。出かけるのも非常におっくううに
なる。
    
    

56歳11月・・・右肩が痛み始める。
       肩の痛みと同時に、右の膝が痛みがあったり少しかくかくする(自然となおる)
       右の臀部からの痛みがある(自然となおる、両方とも痛みがでたりなおったりする)
       柿や山菜を食べると便通が良くなる。柿は大好きで沢山食べる。

..切診

<切診>

(脈診)
全体に沈んでる
右尺 特に沈んでる

(舌診)
やや白膩苔
舌裏怒張無し

(腹診)
右鎖骨下動きが悪い感じ
心下 少しつまり
左期門あたり 少しつまり
関元 冷え、抜け
両大巨 冷え、抜け

(経穴診)
左列缺 陥凹、冷え
左神門 少し硬結
右神門 大きく硬結
左内関 弛み
左合谷 陥凹、冷え
左後谿 陥凹、冷え
左足三里 大きく陥凹
右足三里 陥凹
右臨泣 硬結
右公孫 冷え
左承山 弛み

(背候診)
大椎 冷えすごくきつい
身柱 発汗
右肺兪 陥凹
左心兪 陥凹
両脾兪(左<右) 抜け
両三焦兪(左<右) 抜け

..五臟の弁別
【肝】
閉経後、便秘がちで週1くらいだった。出ないと気分が悪くなり、嘔吐したりしたこともある。病院に行ったこともある。
(肝鬱、腎虚の可能性)
便秘薬を時々服用していて、服用していない時はコロコロの便。(肝鬱の可能性)
心下 少しつまり(肝鬱の可能性)
左期門あたり 少しつまり(肝鬱、湿痰の可能性)
右臨泣 硬結
45歳頃・・・こむら返りが起こるようになる(肝の陰虚の可能性)
51歳・・・閉経。便通が週に1回くらいになる(肝鬱、腎虚の可能性)
 胃が弱くなり、ストレスですぐに潰瘍になる(現在まで)。

【心】

左神門 少し硬結
右神門 大きく硬結
左内関 弛み
左後谿 陥凹、冷え
左心兪 陥凹
54歳・・・左小指が痛み始めて、それが治ったら左肩が痛み始める(現在まで)
(心の経筋の問題である可能性)。
左肩の痛みがはじまったころから、全身がやる気がでずだるい。

【脾】
柿が好き 間食は1日2回以上で、果物を食べる。
(脾気をいためる可能性、冷える可能性)
時々便が出きらない感じがする。(脾虚の可能性)
やや白膩苔(脾虚、湿痰の可能性)
左期門あたり 少しつまり(肝鬱、湿痰の可能性)
左肩の痛みがはじまったころから、全身がやる気がでずだるい。
左足三里 大きく陥凹
右足三里 陥凹
右公孫 冷え
両脾兪(左<右) 抜け
 胃が弱くなり、ストレスですぐに潰瘍になる(現在まで)。


【肺】
右鎖骨辺りから腕の付け根の前面が痛い。
左列缺 陥凹、冷え
左合谷 陥凹、冷え
身柱 発汗
右肺兪 陥凹


【腎】
閉経後、便秘がちで週1くらいだった。出ないと気分が悪くなり、嘔吐したりしたこともある。病院に行ったこともある。
(肝鬱、腎虚の可能性)
脉、全体に沈んでる 右尺 特に沈んでる(腎虚の可能性)
関元 冷え、抜け 両大巨 冷え、抜け(腎虚、陽虚の可能性)
51歳・・・閉経。便通が週に1回くらいになる(肝鬱、腎虚の可能性)

左承山 弛み
両三焦兪(左<右) 抜け


【風邪】
関節が痛くて、痛みは移動する
大椎 冷えすごくきつい
身柱 発汗
右肺兪 陥凹
左列缺 陥凹、冷え


【陽虚】
朝、起きぬけが痛い。痛い時期は一定しない。
関元 冷え、抜け 両大巨 冷え、抜け(腎虚、陽虚の可能性)

..病因病理
主訴の肩の痛みは、1年前に左の小指からはじまり左肩が痛み、今年の11月よ
り右の肩前面が痛み、同時に膝、腰などが痛みが出現しています。肩以外の痛み
は、自然と治るものの、再び痛み、痛む場所があれこれ移動します。また、全て
の痛みは、朝おきぬけが辛いとのこと。


40代の後半から、こむらがえりがおこるなど、肝の陰陽のバランスの悪さが伺
われます。

生理があると、きつい肝鬱状態があっても下に通じることによりある程度肝鬱が
解消される可能性となります。

しかしながら閉経により肝鬱が下に解消されることがなくなり、肝気の鬱滞がより強く
なったこと。また年齢的に腎虚傾向も加わったため便通が非常に悪くなったと思
われます。週に1度で、出ないと嘔吐したり気分が悪くなるなどきつい気
逆状態を思わせるものであります。またここまで便通が悪くなるのも、もともと
の脾気の弱さもあるのでしょう。

このきつい脾虚肝鬱状態が続く中、精神的なストレスがくわわったため、
胃に潰瘍ができるという状態になっています。つまり脾虚肝鬱状態から、一歩進
んで肝気が脾胃を犯してしまう状態にすすんでしまったということです。

このように、肝気の鬱滞、脾胃をいためる状態、そして腎気の年齢的な落ち込み、
が続く中、1年前の柿の季節に左の小指の痛みに始まる、左肩の痛みと、全身の
だるさ、やるきのなさが出現しています。

これは、いままでの脾胃の弱さ、肝鬱状態が柿の多食という飲食不節により、脾
の陽気が奪われ、一段と器を小さくしてしまったのではと考えられます。脾の陽
気不足により、肩関節を温陽できないために肩の痛みとなり、また同様に、脾気
が心気を養えないために、だるい、やる気がでないなどの心痺両虚の状態となっ
てしまったのではないかと考えられます。

身体を補うことがなかったため、この状態で1年経過し、ふたたび柿の多食の季
節になり、飲食不摂により、また脾の陽気をいためる状態となり、冷えで便通が
つくようになっています。

便通が柿で付くということは、かなり柿でおなかが寒え、冷え降しをしていると
思われます。身体の状態がよいときであれば、下に通じることのほうが身体にとっ
てメリットとなり便通がつくだけで済んでいたのでしょう。しかし、閉経から続
いている肝鬱状態と、一年前から続く、心痺両虚の状態の上に、身体がよ
り冷えにさらされ陽気不足となり、これに、11月18日というはっきりとした日
付の記憶があるとおり風邪を引き込んだのと思われ、肺気の弱りとなり右の肺経の
始まりである部位からの肩の痛みとなっていると思われる。

今回は、肩の痛みだけに停まらず、全身の関節の問題へと波及し、右の膝、右の
臀部の痛みと広がりをみせ、朝の関節の痛み、痛みの移動をともなう状態となっ
ています。

ご本人には風邪の自覚がないものの、大椎の寒えや身柱の発汗、右の肺兪の陥凹、
左の列缺の寒え陥凹から風邪の引き込み、内陥が明瞭です。

また、大巨から関元にかけての下腹の寒えや脾兪、三焦兪の弱りや抜けは、
脾腎の陽気不足や支えのなさを物語っています。

年齢的な腎気の弱り、
風邪の内陥、
肝気犯胃による脾胃の弱り。
ストレスによる、心気への負担
柿の多食による冷え、

上記により発症した痺症であると考えられます。

大巨、関元の寒えが明瞭であるものの、睡眠、小便などの状態がよいため、
腎気の落ち込みは年齢相当のものと思われる。この経穴の冷えは柿の多食のため
かもしれないと考えられます。
脾胃の問題は、ここ数年のストレスで潰瘍を起こしてしまうほどであり、
また、肝気の鬱滞も一番の症状としては便通異常としてあらわれるように、脾胃
に負担がかかりやすいタイプであると考えられます。

..弁証:痺症(風邪、脾虚)
..論治:風邪を払い、脾気をたてる。

..【治療方針】

まず第一に風邪を払うことを目標とします。
目標は大椎の冷え、肺兪など。

風邪の治療と同時に、脾胃をたてることをします
これは、風邪を払うために脾気をたてることが必要という側面もあります。

神門、内関などをみながらストレスとのかねあいで調整していきます。
足三里の大きな陥凹、脾兪、三焦兪も施術観察していきます。

この二点でどの程度、やる気の改善、肩関節などの関節の痛みの改善が
みられるのか観察していきます。

また、きっかけがご本人の無自覚な飲食不節が原因なので(便通がつくという
理由で冷えるものを多食)自覚をおながすことも同時に必要です。


..【生活提言】

1年前からだいぶ体調が悪く、辛い状態が続いていますね。

肩やいろいろな関節の痛みと、やる気のなさ強いだるさなどは、身体の中の
ひとつの出来事として根本原因は同じです。

もともと胃腸の弱さがあり、便通などの状態がよくないですね。
この上に、ストレスで胃をいためたり、冷える柿などの食べ物で
より胃腸をいためたために、冷えが身体の中に入り込んだため、関節の痛みや
やる気のなさ、だるさとなっています。

柿などの便通のつく食べ物は身体を強く冷やしている場合が多くあります。
今回、便通がついているのに、どんどん関節の痛みや辛い症状が強くなってしまっ
たのはこのためです。食べ物に注意して体をあたためるように心がけましょう。

また胃腸の弱さがありますね。お灸の指示をいたしましたので、できる範囲で結
構ですから、毎日かかさず施灸をするように心がけてください。

がんばっていきましょう。

飲食不節の要因となっている柿の多食を注意し(ただし、季節が終わり、すでに
便秘がはじまっていますので、今後の問題として)、
い、脾気をたてることを治療目標とします。
御自身の養生としては、ストレスと上手につきあうこと。冷える食べ物を
控えることを気をつけていただきたいと思います。

..治療経過
左後谿 左神門(鍼、ミニ灸)
左中府、ダンチュウ(ミニ灸)
足三里(灸頭鍼)
身柱(7)、大椎温灸、
左脾兪(鍼、温灸、10)
左右三焦兪(鍼、温灸、ミニ灸)。

4診まで(週に1度程度の間隔で)
柿をやめたらまた悪くなっていた便通が非常によくなった。
左肩は暖かい日にはあまり痛みがきにならなくなった。
右肩は忘れる日もでてきた。
7診で、肩の痛みはほぼ消失。

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2008/11/13

4)下肢痛、痺症弁証論治

.4)下肢痛、痺症弁証論治
..問診

<問診>
...初診2007年12月末
53歳 女性 主婦(料理教室をしている)
家族構成:姑、夫、子供3人
身長:155cm、体重:47~48kg


主訴・・・右足が痛い、眠れない

...時系列
結婚後、姑など家族関係のことで常にストレスが多い生活をしている
(現在も続く)。
20歳から30歳代は胃痛が多かった。
年に数回、胃が急激に痛くなり、胃腸薬を飲んで1,2回ガスが出て楽に
なることをくり返していた。40台になったらなくなった。


25歳・・・出産。つわりがひどく、産後は6~7kg痩せる。
     母乳はあまり出なかった。
     出産後1ヶ月位して腰が痛み出す。
27歳・・・腰の痛みがピークとなり、左椎間板ヘルニアの手術を受ける。
    (痛みはなくなり、現在では梅雨時でも痛みは出ない)

31歳・・・帝王切開で出産。つわりがひどく、産後は6~7kg痩せる。
     絞って捨てるほど母乳が良く出た。
     
33歳  帝王切開で出産。

40歳代・・・胃痛は軽減。
       眠れなくなる。寝付きはいいが22時に寝ても2時に目が覚める。
48歳・・・ひどい貧血となり、子宮筋腫の手術を受ける。

52歳(2006年11月)一ヶ月あまり続くイベントで外出が多く肉体的、精神的に無理をした、右下肢が痛くなり病院でMRIをとりヘルニアといわれる(病院での治療はせず)。

53歳夏(2007年夏)・・・精神的なストレスで、3kg痩せて46~47kgくらいになる。
       プールと体操で冷えて、右足の調子がとても悪くなる。歩くこと自体が不自由になり長く歩けなくなる。
(2007年12月)現在に致る。

【右足の痛みについて】
右足は、特に右臀部からふくらはぎまで足の後ろ側にかけてずっと痛い。どこか特定の部位が痛いというよりも、右足全体が痛い。昼、夕、深夜が辛い。
1年を通して痛いが、特に季節の変わり目、秋、冬、梅雨時が特に痛い。
立っていたり、歩いていると痛みがあり、座っていると痛みは無かったが、最近は座っていても痛みがある。寝ていても痛い。
ラジウム温泉やあったまるという評判の温泉に入ると少し痛みはましになる。
足が痛くなったと同時に、目が疲れやすい、眠りが浅いという症状が出てきた。


...【ふだんの状態について】

(全身の状態)
夏前の梅雨が身体全体がだるくなるなど一番調子が悪い。
他の季節も変わり目はダメ。
右足は梅雨でも痛くならない。

(食事)
食欲は普通で、朝食7時、昼食は不規則、夕食は19時、食事時間は15分。
食事前の空腹感はよくあり、おいしく食べれる。
食後にお腹が張ったり、胸焼けがすることは時々ある。
よく食べるのはパン、麺類。好き嫌いは特に無し。
間食は毎日で、9:30頃果物、昼食後にあんこ物を食べる。

(飲み物)
1日200cc~300ccくらい。
喉はめったに渇かない。口舌喉の違和感もめったに無い。

(タバコ)
吸わない。

(飲酒)
週2~3回、ビールかワイン。

(大便)
1日1回出る。便秘はめったに無い。
時々便が出きらない感じがする。
便の形状は細い、コロコロ、量はこぶし大。
臭いは普通で、よく臭う。

(小便)
1日7~8回。
夜間排尿、残尿感は無い。
尿の切れが悪いことはめったに無い。
尿の色はいつも黄色。

(睡眠)
就寝22~23時、起床6時半。
寝付き良い、寝起きは普通だが、眠りが浅く、午前2時頃に目が覚めて、それ以降起きるまで何度も目が覚めて、寝ている感じがしない。
翌日に疲れが残ることは時々ある。
夢はめったに見ないが、水に溺れそうな夢やこわい夢を見ることがある。

(風邪)
よく引く。

【婦人科系】
初経12歳。
48歳、貧血で子宮筋腫の手術
生理周期は28日、5~7日間。

..切診

(脈診)
右関 やや滑

(経穴診)
右内関 弛み
右外関 冷え、亀裂
右陽池 冷え
右申脈 冷え
右下委陽 動き悪い
右築濱 筋張り

(背候診)
両肺兪 抜け
左心兪 陥凹
右脾兪 抜け
右胃兪 抜け
両腎兪 抜け
右大腸兪 弛み
..五臟の弁別
...肝

....年に数回、胃が急激に痛くなり、胃腸薬を飲んで1,2回ガスが出て楽に
なることをくり返していた。40台になったらなくなった。(肝鬱の可能性)

....妊娠中つわりがひどく、7,8kgやせる(肝鬱、脾虚の可能性)
....一ヶ月あまり続くイベントで外出が多く肉体的、精神的に無理をした、右下肢が痛くなり病院でMRIをとりヘルニアといわれる(肝鬱、腎虚、経絡経筋病の可能性)

....53歳夏・・・精神的なストレスで、3kg痩せて46~47kgくらいになる。
  プールと体操で冷えて、右足の調子がとても悪くなる(肝鬱、脾虚、腎虚、冷え、経絡経筋病の可能性)
  
....足が痛くなったと同時に、目が疲れやすい、眠りが浅いという症状が出てきた。
(肝の陰虚の可能性)
....寝付きはよいが、午前2時頃に目が覚めそれ以降は眠りが浅く寝ている感じがしない(肝の陰虚の可能性)

...心
....右内関 弛み、右心兪 陥凹
...脾
....妊娠中つわりがひどく、7,8kgやせる(肝鬱、脾虚の可能性)
....夏前の梅雨が一番調子が悪い。他の季節も変わり目はダメ。
 (脾虚、湿痰の可能性)
....食後にお腹が張ったり、胸焼けがすることは時々ある。
....時々便が出きらない感じがする。便の形状は細い、コロコロ(脾虚の可能性)
....右関 やや滑
....右脾兪 抜け、右胃兪 抜け


...肺
....両肺兪 抜け、右大腸兪 弛み

...腎
....産後右腰、下肢の痛みがでる(腎虚の可能性)
....一ヶ月あまり続くイベントで外出が多く肉体的、精神的に無理をした、右下肢が痛くなり病院でMRIをとりヘルニアといわれる(肝鬱、腎虚、経絡経筋病の可能性)
....53歳夏・・・精神的なストレスで、3kg痩せて46~47kgくらいになる。
  プールと体操で冷えて、右足の調子がとても悪くなる(肝鬱、脾虚、腎虚、冷え、経絡経筋病の可能性)

....翌日に疲れが残ることは時々ある。(腎虚の可能性)
....右申脈 冷え、右下委陽 動き悪い、右築濱 筋張り
....両腎兪 抜け

....右外関 冷え、亀裂
....右陽池 冷え


...経絡経筋病
....一ヶ月あまり続くイベントで外出が多く肉体的、精神的に無理をした、右下肢が痛くなり病院でMRIをとりヘルニアといわれる(肝鬱、腎虚、経絡経筋病の可能性)
....53歳夏・・・精神的なストレスで、3kg痩せて46~47kgくらいになる。
  プールと体操で冷えて、右足の調子がとても悪くなる(肝鬱、脾虚、腎虚、冷え、経絡経筋病の可能性)

..病因病理

1年ほど前に大きな一ヶ月あまり続くイベントで、精神的な無理、肉体的な無理を
重ねたことがきっかけで右足の痛みが発症しています。

病院で念のため検査をしてもらい、ヘルニアと診断されるものの、そのまま経過。

9ヵ月後の夏、ストレスのため3kgやせてしまうこと。足のためと勧められプールや体操を
無理してがんばったものの、冷やしてしまったことなどから、長く歩けなくなるほどの、
非常に辛い痛みとなっています。その後、温泉に入ると少し痛みが軽減するためなるべく
温泉にいくものの、あまり改善せず、現在に致っています。

若いころから、義母との関係でストレスが多い生活を送っておられ、悪阻がひどくやせてしまう
ほどだったり、胃が急に痛くなりガスが出て治るなど、肝気犯胃をくり返していたことが伺われます。
また、ひどくやせてしまうほどの妊娠ー出産は、腎気をひどく痛め第一子の出産後は右下肢のヘルニアになり、手術を
受けるほどになっています。

しかしながら、腎気が割合と充実している人であるせいか、重いつわり、ヘルニアなどを
経験しつつも腎気の問題が引きずられることはなく、第二子の出産後は母乳が捨てるほど出、ヘルニアも手術によりスムーズに回復するなど、もともとの素体の充実感をあらわしています。


40代ころから、胃痛が軽減するも、眠りが継続しがたくなるという状態になっています。
眠りが継続できなくなるのは、気が裏にきちんと戻ることができないということで、肝の根の弱さが
うかがえます。ストレスがなくなったわけではないのに、胃痛が軽減していることをあわせると、
肝気犯胃がなくなったというよりも、肝の陰陽両虚により、肝気犯胃となる強さが弱まったり、
裏に帰ることができなくなったのではないかと考えられます。これは子宮筋腫による、貧血も
引き金となり、この段階で素体の器を一段小さくしてしまったのではないかと思われます。

その後、生命力が補われることなく経過し、大きなイベントがあり、
精神的、肉体的な無理を重ねたため、主訴の右足の痛みの発症となっています。
イベントという肝気を非常に脹る状態であったのに、肝の陰陽が弱く、
腎気に大きく負担をかけたために、下肢の腎経、膀胱経に愁訴の出る経絡経筋病となったと
思われます。

主訴の痛みはイベントの疲労により腎気を落としたことでの発症なのですが、
さほどきつい痛みではなく、季節の変わり目のいつもの体調悪化にともない下肢の状態も
それにつれて痛みが増すという程度でそれほど悪化せずに経過していました。

しかしながら、9ヵ月後の夏、脾気がストレスでかなり痛めつけられたのか体重が3kgほど落ち、
足を治すためとプールや体操でがんばったことで、いためていた下肢にかえって強く負担をかけ、
耐え難い痛みとなり現在にいたっています。

無理を重ねてしまい腎気を落としての主訴の発症ですが、さほどきつくなく経過できたものが、
脾気の弱り、冷えの入り込み、弱った経絡経筋への直接的な負担で耐えがたい痛みとなって
しまったと思われます。


..弁証論治
脾虚、経絡経筋の冷え、弱り

..治療方針
益気補脾 
下肢の経筋経絡の温陽通絡

まず脾気をたて、生命力の充実をはかります。
また温陽して、いためた経絡を暖め、気を導き痛みの軽減をはかります。

..生活提言

もともと土台のしっかりした丈夫なお体だと思います。
しかしながら、数々の日常的なストレスにより胃腸に負担がかかり、
身体の力を落としてしまったことが、一番の問題だと思われます。

胃腸の状態をよくすることが、足の痛みの軽減、全身状態の好転、
季節の変わり目に体調が悪くなってしまってい状態の改善につながります。
食後におなかが脹らない程度の食事量になるように気をつけ、
間食もできるだけ控えるようにしてみてはと思います。
便通がすっきりとすることが目安です。

また、冷えや、弱った下肢に強い負担をかけるのは、症状を悪化させます。
まず冷やさないように注意し、全身状態をよくすることで、痛みの改善を
図りましょう。

.. 初診((2007.12.24)
1)百会(7)、右合谷(鍼ーミニ灸)右列缺(鍼ーミニ灸)
  足三里ー右三陰交 以上置鍼12分
2)脾兪、三焦兪、大腸兪、右環跳灸頭鍼、右下委陽ー築賓(ミニ灸)
..2診(2008.1.8)
初診後調子がよく、長く歩けた
施術同じ
..3診(2008.1.19)
足の調子はよい
胃がずっと痛い感じで昨日からとくにひどい。
腰が抜けそうな感じがする
1)百会(7)、右後谿ー右公孫(ミニ灸)
2)右胃兪ー脾兪(施灸、ミニ灸)
  (腎兪、大腸兪)温灸

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