東洋医学の世界は、独特の言葉を使います。
私の症例を一般の方も大勢読んでくださっているようでとても嬉しいです。
言葉が難しいという声をよく候いますので、
私の使っている東洋医学の言葉を、少しまとめて説明していきたいと思い原稿を
書いてみました。
東洋医学で考えるときには、その生命観がとても大切です。
五藏六腑ということばは、西洋医学的な臓腑の言葉と似ているので混乱しがちで
すが、東洋医学の五藏六腑には独特の意味づけ、考え方があります。
興味のある方はごらんくださいね(^^)
また、わかりにくい部分などありましたら、ご質問ください(*^^)v
前半は、五藏六腑の説明
そして後半は子宮を中心とする、東洋医学的婦人科考え方の基礎となる子宮、腎、
衝任脉の考え方になります。婦人科的な問題はこの部分を抜きには語れません。
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.生理を東洋医学で考えよう
..東洋医学で考える身体の臓腑
五藏六府という言葉を聞いた事があると思います。これは、五藏
(肝、心、脾、肺、腎)という中心になる臓と、(胆、小腸、胃、
大腸、膀胱、三焦)という腑でからだ全体が構成されて
いるという考え方です。
中心となるのは五藏。
この五つの臟が、それぞれに役割をもってからだを構成しています。
ここで重要なのは、五藏という観点で、身体の機能を5つに分けて考えています
が、わたしたちのひとつの身体の中にあるものであるということです。
五藏がそれぞれの役割をにないながらも、ひとつの生命として、繋がり合いわた
したちの身体のなかにあるのです。決して、五藏のひとつひとつが単に独立して
あるのではなく、肝、心、脾、肺、腎が関係性をもって存在しているということ
なのです。
わたしたちは、肝だけで、脾だけで、腎だけで生きているのではな
く、それぞれの弱さ、強さ、充実度、弱点はあっても、すべての五藏があなた
の身体の中で繋がり合い、関係性をもって存在しているということです。
ここでは、それぞれを役割に分けて語っていますが、人間の身体はひとつのまと
まりをもって、生命としての活動をしているということが重要な観点になります。
簡単に五臓をそれぞれ説明しておきます。
..肝:肝は木にたとえられます。
人間を考えるときに、大地に根ざし、天空に向かって手を広げる木と考えること
があります。木は大地と天空をつなぐ大いなる幹です。
しっかりと大地に根を張り(脾腎)、健やかな幹(肝)が暢びやかに立ち上がる
ことによって、力強く天空に手を広げる(心肺)ことができます。
この幹である肝は、『やる気、生きる意志』でもあります。
全身の気血の流れを調整し、しっかりと生きていく意思をもつのが肝気の力です。
この『生きる意志』の力は、どっしりとした大地にしっかりと根をはることで充
分な力が発揮されます。
ところが現代人は、大地がやせていることが多多あります。
大地がやせると、木はまず身体の上部である天空に助けを求めます。人間におい
てはこれを身体のキーキー状態といいます。他者に助けを求めて泣き叫んでいる状態です。
体内においては、その必死さによって熱を生じ、その熱が他の臟や生命力にを圧迫し
ます。このキーキーによって不妊に陥っている人は非常に多いです。
また、ご自身の大地の充実度を無視して、肝の『生きる意志』だけが暴走してい
る場合もあります。やせ細った大地にたった、もやしのような身体なのに、あれ
もやりたい、これもやりたいと肝気だけがキーキーがんばっている状態。
大地(脾腎)を充実させること、肝気(生きる意志、自分の欲望)
を調整することが、生きていく日々を健やかに過ごすためには重要になってくるのです。
また肝は全身の血を藏します。藏するというのは蓄え貯蔵し、全身
の血のめぐりを調整するという意味です。妊娠したいという女性に
とって、血が健やかにあり、全身によくめぐるように調摂されてい
ることは大事なことです。女性の生理の問題を『血の道』などと表
現することがありますが、肝と関係の深い言葉です。
..心:心は火にたとえられます。
身体の土台の力の生命力である腎の暖かさを承けて、太陽のように燃え続ける火
です。また、肝のキーキーする熱などをを受けて燃え上がってしまうこともあり
ます。
君主の官とも呼ばれていて、全身の状況を表現します。
..脾:脾は土、大地です。
私達が日々摂取する飲食物を消化吸収し、それをしっかりと蓄える倉庫の役割も
します。人間が日々の生命をつないていく飲食物からのエネルギーの摂取におお
きくかかわりますので、生まれながらの生命力である先天の本(腎)にたいして、
後天の本とも呼ばれてもいます。
肝木に対して大地の役割をし、その根を養います。肝は血を蔵すると言われています
が、その血を生成するところが脾です。ここが丈夫であると、肝木の根がしっかりするため、肝気がキーキーと暴れることを間接的に防ぎます。
木には充実した根が大事だということですね。
..肺:肺は天空です。心の火はそこにかかっている太陽です。
人間の身体において、天空というのは、外界と内界をへだてる外郭、バリヤです。
脾が飲食物の摂取という役割で、外界と内界をつないでいますが、肺は、呼吸に
よって外界と内界をつなぐ役目ももちます。
肺が弱くなるということは、外界に対する防衛力が弱くなるということです。
また、人間の命のまとまりとしての蓋の役割をしていますので、この蓋である肺
がが充実していると、生命力がしっかりとまとまることになります。
..腎:腎は身体の中心、生命力の土台です。
人体の重心である最も深い位置にあります。そして東洋医学では生命そのもの
の発祥の中心とも考えるので、先天の本とも呼ばれます。
東洋医学の世界で子宮は、生命力の土台である腎と直接的に関係していると考え
ています。女性の身体の生命力の中心によって子供が育まれるということは、
種の存続の神秘であるともいえるでしょう。この子宮の力こそは、次なる生命を
生み出す門戸なのです。
「女は子宮で考える」という言葉があります。これは、女性は一番大切なものを、
本能的に、生命の源とつながりわかっているということなのでしょう。
..腎と子宮、一源三岐である衝脉、任脉、督脉
人間が日々生きていくには、五藏の働きが必要です。
女性には、日々生きて生くだけではなく、次の世代を生み出すための仕組みを担
い、身体にそのシステムを備えています。
これが、子宮を中心とする女性の生理の特徴です。
子宮に直接的に関わるのは生命力の土台である腎です。腎の力は生殖の力を左右
する大きなものです。
そして、女性には、生命力の有余を大きく蓄える海が経絡として用意されていま
す。一源三岐と呼ばれる衝脉、任脉、督脉です。この一源三岐の経絡は直接的に
子宮に注ぎいれ、子宮に有余の生命力を注ぎ込みます。生殖を支える大いなるエ
ネルギーとなるわけです。
生理がおこるということは、腎気(身体の土台の力、下焦の力、
際下丹田の力)の主導のもと、肝気によって、血流が調整され、
脾によって、気血が作られ、からだの中では余力である奇経の衝
任脉が盛んになり充実し子宮にエネルギーを注ぎいれるということです。
腎気、肝気、脾気、衝任脉という沢山の臓腑や経絡が全体として
調和のある動きをしているということが、順調な生理につながる
わけですし、妊娠の出来るからだのありようにもなるのです。
(男性にも衝脉、任脉、督脉などは存在します。ここでは特に子供を孕み、育み、
出産する女性の生理に大きく関わる側面としての衝脉、任脉、督脉を考えていっ
ています)